日本の食料自給率は39%である。(H24年度概算値、カロリーベース)
これは先進国の中でもかなり低く、アメリカ130%、オーストラリア187%、カナダ223%などと比べても大きく差がついている。
国内を見てみると、食料生産高の低い大都市圏は、東京1%、大阪2%、神奈川2%という低さ、
高いのは北海道200%、秋田177%、山形133%と続いている。
Link:都道府県別食料自給率について(農林水産省)
当社のある茅ヶ崎市は、比較的農地も多い印象を持っていたのだが、調べてみると2%という非常に残念な水準だ。
自給率を高めるには、計算式における分母の部分、買い過ぎや食べ残しといった食の浪費を抑えること、
分子に当たる国産の消費量を増やすことの両面が必要だ。
とはいえどこから手をつければよいかは難しい問題でもある。
普段から口にするものの中で、国産材料の使用率を知ることもままならないし、和食の自給率も意外なほどに低い。
そもそも自給率を高めることに、直接モチベーションを感じる人は少ないはずだ。(私もそうである)
そこで、食料自給率の高さをもう少し解釈してみると、”素性の明らかなもの”を食べるということではないだろうか。
“素性”とは、どこで(産地)、誰が育てたもので(生産者)、どのように手元に届いたのか(流通)、ということだ。
そして、これらが自分にとって身近なものであるほどよい。
身近な場所は自分の住んでいる場所、実家、知人・友人の住む場所であり、
作った人は、地元の生産者や知人なら顔が思い浮かぶはずだし、自分で作ったものなら最高だ。
産地直送、地産地消、など食をめぐるキーワードは飛び交っている。
大規模な取り組みや社会制度の変革も期待したいが、まずは生活者である一人ひとりがこうした意識を持ち、
少しずつ無理のない範囲で、産地・生産者・流通との接点を持ち始めることが大切だ。
わが家でも地元の茅ヶ崎で野菜をつくっている。
手をかけて作ったものが食卓に並ぶのは楽しく、美味しいものだ。
作る、運ぶ、売る、という食のバリューチェーンは大規模化・効率化されたが、同時に分断されたものも多い。
つながり、かかわり、循環しているものを感じながらいただく食が、身近なところから広がってほしいと思う。
来年は、自分の畑で作った大豆をつかって、味噌、豆腐も手作りする予定だ。
こうした楽しみを、都会ぐらしの人が手軽にできる機会を作っていきたい。
行政やNPOがさまざまな取り組みをしている。
そうしたプレーヤーとも連携しながら、持続可能なビジネスとして遠からず形にしていきたいと考えている。